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嵐山で迎える特別な朝。地元民も通う、とっておきの朝食スポット8選


京都・嵐山といえば、渡月橋の優美な弧、青々とした竹林、そして桂川に映る山々の影。観光シーズンになれば世界中から人が押し寄せるこの地も、朝のうちはまだ静かで、澄んだ空気の中を散歩するだけで気持ちが整ってくる。そんな嵐山の朝をもっと豊かにしてくれるのが、この街に根づいた個性豊かな朝食スポットだ。

今回は、老舗の純喫茶から古民家カフェ、出汁にこだわる和食処まで、嵐山エリアで特に好きな8軒を紹介したい。ゆっくり読んで、あなたの「嵐山の朝」を想像してみてほしい。



観光が始まる前の特別な時間が、ここにはある

嵐山の朝食が面白いのは、その振れ幅の広さにある。かわいいワッフルから丁寧に引いた出汁のコース、昭和のレトロな純喫茶の卵サンド、築200年の古民家で食べるパン。選ぶ朝食によって、同じ嵐山でもまったく違う一日の始まりになる。混雑する前の静かな時間帯に予約を入れておくか、開店直後を狙っていくのがおすすめだ。



可愛さと美味しさが両立している、フォトジェニックなワッフル朝食 ―― kyocafe chacha



阪急嵐山駅から徒歩約5分、住宅街の中に忽然と現れるおしゃれな建物がkyocafe chachaだ。朝8時から営業しているので、観光客が来る前に嵐山を満喫したい早起きさんにとってもうれしい。

このお店の看板は、棒が刺さったアイスバー型のワッフル。テイクアウトして嵐山の景色の中で食べても絵になるし、店内でゆっくりいただくのもいい。白と木目を基調とした空間に並ぶ家具はすべてアンティークで、テーブルごとに雰囲気が異なる。「可愛いを入口から天井まで詰め込んだ」というコンセプト通り、どこを切り取っても絵になる空間だ。2階はホテル「The GrandWest Arashiyama」になっており、宿泊しながら朝食を楽しむこともできる。

営業時間:8:00〜16:00 / 不定休 住所:京都府京都市西京区嵐山上海道町48



日本の朝ごはんの原点に立ち返る、出汁と米の芸術的な朝食 ―― 出汁と米 MUKU ARASHIYAMA


渡月橋から徒歩すぐのホテル「YADO Arashiyama」の1階にある出汁と米 MUKU ARASHIYAMAは、「お米とお出汁」という日本の食の根幹をテーマにした朝食処だ。朝7時半からオープンしており、宿泊客でなくても利用できる。

店内の中央にはおくどさん(かまど)が鎮座し、ここで炊き上げた羽釜のごはんがコースのクライマックスを飾る。料理はすべて豆皿で運ばれてきて、お迎えの出汁にはじまり、出汁巻き玉子、季節野菜の出汁蒸し、お漬物、そして炊き立てのご飯へと続く。4,000円(税込)のコース一本勝負で、季節や仕入れによって内容が変わるのも楽しみのひとつ。一面ガラス張りの店内から差し込む自然光と、朝露が落ちた水面のように配置された垂壁の美しさも、この場所でしか味わえない体験だ。

営業時間:7:30〜15:00(LO14:00)/ 火・水定休 住所:京都府京都市西京区嵐山中尾下町45(YADO Arashiyama内)



1984年創業、マイセンの器でいただくノスタルジックな朝食 ―― ブルーオニオン


松尾大社の北側、阪急松尾大社駅から徒歩わずか2分の場所にひっそりと佇むブルーオニオンは、1984年創業の老舗喫茶店だ。店名は高級陶磁器メーカー・マイセンの代表的な柄「ブルーオニオン」から取られており、店内にはマイセンをはじめとするカップやソーサーがずらりと飾られている。コーヒーはマイセンや有田焼のカップで提供されるという、なんとも贅沢なこだわりだ。

朝9時から営業しており、特にモーニング専用メニューはなく、シナモントーストや厚焼き玉子サンドカツサンドなどのオールデーメニューが楽しめる。カツはオーダーを受けてから揚げるスタイルで、サクサクとした食感が朝から気分を上げてくれる。常連客が多く、京都弁の会話が飛び交う店内には、どこか旅人をも温かく包み込む空気が流れている。奥には小さなお庭もあり、観光の喧騒を忘れたいときに立ち寄りたい一軒だ。

営業時間:9:00〜22:00(LO21:30)/ 木曜定休 住所:京都府京都市西京区嵐山朝月町53-3



築210年の茅葺き古民家で食べる、格別なパンの朝食 ―― パンとエスプレッソと嵐山庭園


天龍寺のすぐそばに立つ、京都府指定文化財「旧小林家住宅」をリノベーションしたカフェがパンとエスプレッソと嵐山庭園だ。東京・表参道発の人気ベーカリーカフェが嵐山に構えたこの店は、築210年の大きな茅葺き屋根が遠くからでも目を引く。昔話に出てきそうなその佇まいを見るだけで、非日常の朝が始まる。

敷地内には、カフェ「エスプレッソと」とベーカリー「パンと」の2棟が並び、朝8時のオープンと同時に焼き立てのパンを購入したり、モーニングセットを楽しんだりできる。人気の「松」ブランティーセットは、パン5種と華やかなデリの盛り合わせが2段プレートで運ばれてくる豪華版。縁側席からは緑豊かな庭園を眺めながら食事ができ、天気のいい日には格別の時間が流れる。2024年にはクレープ専門店も加わり、さらに充実したラインナップになった。

営業時間:8:00〜17:00頃 / 不定休 住所:京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町45-15



朝6時から開いている、地元に愛される老舗の朝食 ―― 廣瀬珈琲店


JR嵯峨嵐山駅と嵐電嵯峨駅のちょうど中間に位置する廣瀬珈琲店は、嵐山エリアで朝6時から営業している貴重な存在だ。創業年数については女将さんに尋ねても「うちは古いえ〜」というざっくりとした答えが返ってくるほど、長く地元の人々に愛されてきた老舗だ。

モーニングはコーヒーとトーストというシンプルな構成で450円ほど。余計な装飾のない潔いシンプルさが、朝の体と心にすっと馴染む。マスターは白いシャツに蝶ネクタイという昔ながらのスタイルで、訪れた観光客に地図を広げて道案内をしてくれることもあるという。常連客が多く、地元の人たちの日常に溶け込んだこのお店は、嵐山の「もう一つの顔」を教えてくれる場所だ。早朝の竹林を散歩した後に立ち寄れば、旅の思い出がひとつ深まるだろう。

営業時間:6:00〜16:00 住所:京都府京都市右京区嵯峨天龍寺今堀町4-1



自家焙煎の香りに包まれる、昭和レトロな純喫茶の朝食 ―― コーヒーショップヤマモト


1969年創業、渡月橋から北に500メートルほどの場所にあるコーヒーショップヤマモトは、朝7時から営業している嵯峨嵐山エリアの名店だ。店の横には別棟の焙煎室があり、自家焙煎のコーヒーの香りが漂う。暗めの照明、木の壁、革張りのソファ。昭和の純喫茶の空気がそのまま残っていて、時間がゆっくりと流れる感覚がある。

モーニングは11時までで、シンプルなトーストセットから、ハムトーストサンドにスクランブルエッグとサラダがついた「Cセット」まで4種類。自家製マヨネーズのほのかな甘みを活かしたサンドイッチは、朝からしっかり食べたい人に嬉しいボリュームだ。ジャズやオールディーズのレコードが流れる空間で、ゆったりと一杯のコーヒーを楽しむ時間は、観光の喧騒から一歩引いた、本当の意味での「嵐山の朝」を感じさせてくれる。

営業時間:7:00〜18:00(モーニング〜11:00)/ 不定休 住所:京都府京都市右京区嵯峨天龍寺瀬戸川町9



桂川沿いで飲む一杯が、嵐山の朝食を完成させる ―― % Arabica Kyoto Arashiyama



嵐山・大堰川(桂川)のほとりに建つ% Arabica Kyoto Arashiyamaは、世界中に店舗を展開するコーヒーブランド「% Arabica」のグローバルフラッグシップストアだ。「嵐山の山と大堰川の前に立つこの場所からすべての店舗の基準を作る」というブランドの姿勢が、この場所への特別な思いを物語っている。

朝8時から営業しており、カフェラテやアメリカーノ、抹茶とエスプレッソを組み合わせた「京都ラテ」など、シンプルながら質の高いコーヒーメニューが揃う。店内の座席は非常に少なく、基本はテイクアウトスタイル。コーヒーを片手に渡月橋を渡ったり、川沿いのベンチで山並みを眺めたりしながら飲む一杯は、嵐山の朝景色と一体になった最高のひとときだ。観光シーズンは行列ができることも多いので、早めの時間帯に訪れるのがベターだ。

営業時間:8:00〜18:00 住所:京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3-47



日本庭園を眺めながら、七輪でパンを焼く体験型の朝食 ―― eX cafe 京都嵐山本店


嵐電嵐山駅から徒歩約3分、路地の奥に佇むeX cafe 京都嵐山本店は、昭和初期の邸宅を改築した隠れ家的カフェだ。重厚な正門をくぐると約400平方メートルもの日本庭園が広がり、嵐山の喧騒が嘘のような静寂に包まれる。日本画家・木村英樹氏が手掛けたダイナミックな赤獅子の襖絵も見逃せない。

朝食では、ねこねこ食パンを七輪で自分でトーストする体験型のモーニングが人気だ。焼き上がったパンにあんこやバター、ホイップクリームをトッピングしていただくスタイルで、見た目も楽しく、焦げ目の香ばしさがたまらない。和の名物「ほくほく、お団子セット」も、七輪で自分好みの焼き加減に仕上げる仕掛けで、お抹茶とともにお座敷でいただく時間はまさに至福だ。庭園に四季の移ろいを感じながら過ごす朝は、京都旅行の記憶にしっかりと刻まれるはずだ。

営業時間:10:00〜18:00頃 住所:京都府京都市右京区嵯峨天龍寺造路町35-3



朝の嵐山だからこそ出会える、それぞれの「特別」がある



8軒並べてみると、嵐山の朝食スポットがいかにバラエティ豊かかがわかる。出汁コースのような贅沢な和の体験を求めるならMUKU、茅葺きの古民家でパンを頬張りたいならパンとエスプレッソと、昭和の空気感の中で自家焙煎コーヒーをゆっくり味わいたいならヤマモト廣瀬珈琲店、川沿いで解放感いっぱいに飲む一杯を求めるなら% Arabica、フォトジェニックなワッフル朝食ならkyocafe chacha

どの店も、嵐山の朝に訪れてこそ味わえる特別な体験を用意してくれている。観光の計画を立てるとき、「どこで朝食を食べるか」から考え始めてみると、旅がもう一段豊かになるかもしれない。


 
 
 

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